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名作絵本、「つまんない!」といわれたら?

昔から売れ続けているから、いい絵本?



日本には、作られて20年以上たつ絵本はいい絵本だ、という通説があります。
それを鵜呑みにする方も多いのですが、残念ながらそれはそうとも限りません。

確かに長い間読まれ続け、売られ続けているのなら、その絵本には何かがあるのでしょう。でも、その絵本がなぜ長い間読まれたり売られたりしているのかは、本によって事情が違うのです。

それに優れている絵本のすべてがそうやって認められ、残っているわけではありません。たまたま売れなかった傑作だってごろごろありますよ。
そうして、そういうことをおっしゃる方はたいてい「アンパンマン」や「ノンタン」や「ディズニーブック」に顔をしかめられることが多いのですが、そのどれもが20年以上、売れに売れている絵本です。
だったら、それはいい絵本だということにはならないのでしょうか?

作品として優れている、いない、という判断は当然ありえます。
でも、優れているからといって、それが面白いかどうかは…。

古今東西、名作は多々ありますが、今あなたはそれを読めといわれて面白いと思いますか?
「オデュッセイア」や「ガリア戦記」「源氏物語」「東海道五十三次」あたりを―。
みな、ケチのつけようのない素晴らしい名作です。
でも、寝る前にくつろいで読むことができるかというと、そういうかたはごく稀でしょう。一般に古典になればなるほど、ストレートに楽しむことは難しいのではないでしょうか。

いい絵本なのに…「つまらない」!?



実は今、子どもに絵本を選んであげるのはちょっと難しいのです。なぜなら、2000年をまたいで文化が大きく変わってしまったから。スマートフォンやipadの登場は子どもたちにも大きな影響を与え、それまでずーっと面白かった本が楽しめなくなってきたのです。
絵本はほかのジャンルに比べれば長持ちするほうですが、それでも時代の変化に持ちこたえられなくなってきたのです。

まずは一人ひとり、好みというものがあります。(前回のコラムママが安心な絵本vs赤ちゃんが好きな絵本でお話ししました)
次に時代による流れ、というものがあるのです。

子どもたちが、いいといわれる絵本を「つまんない」といったからといって、がっかりなさらないでください。
怒らないでください。

それよりもその子が今、幸福であるかのほうが、ずっとずっと大切ではありませんか?
その子が、幸福を感じることができる本を読んでやってください。
そうしてママはその子が喜ぶ姿を楽しんでください。
公開日:2016年02月01日

Navigator 赤木 かん子

児童文学評論家。子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。学校図書館の改造や調べ学習紙芝居(埼玉福祉会)の監修を手掛けるなど、活動は多岐にわたる。
赤木かん子オフィシャルウェブサイト

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